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絶対騙されたくない!家族信託で詐欺被害から高齢の家族を守れる?

公開日:2022/06/15  最終更新日:2022/06/14


警視庁の調査によると、平成29年のオレオレ詐欺など、特殊詐欺の被害額は394.7億円でした。その中でも高齢者の被害割合は72.5%と非常に高く、水際で防ぐための取り組み強化が進んでいます。高齢者の詐欺被害は他人事ではないため、詐欺被害から家族を守るためにはどうしたら良いかご紹介していきます。

なぜ家族信託が詐欺・訪問販売対策に有効なのか

■騙された本人のみでは財産処分が不可能

近年、詐欺や訪問販売や電話営業が後を絶たず、高齢者が騙されてしまうことが多々あります。その中で、家族信託に入っていれば、高齢者本人が騙されてしまったとしても、手続きは家族が行なうので、財産処分から守ることができます。

■不動産を信託した場合

不動産の営業マンはインターネットで登記情報サービスを利用して不動産の名義人を確認し高齢者であればアプローチしやすいと考え電話営業をしてきます。しかし、不動産信託をしている場合、名義人は所有者から受託者に変更されるので、信託されていることがわかれば、名義人が高齢者では無いと考えて電話をしれくることはありません。

■金銭を信託した場合

預貯金については信託をすることで、受託者名義の別銀行口座で管理されます。引き出しや振り込みは受託者だけとなりますので、受益者は直接引き出せません。この場合、詐欺や訪問販売があっても高齢者は金銭の支払いが不可能なので守ることができます。

100%守れるわけではないので要注意!

■家族信託の限界

家族信託を利用して詐欺や訪問販売からすべてを守ることには限界もあります。信託財産に組み入れた財産しか守ることができないからです。預金の場合は、年金を信託財産に入れることができないため、年金を貯めて増えていった場合はこのお金から本人が支払ってしまう可能性があります。

■その他の対策をしておこう

その他の対策として、キャッシュカードの振込や引き出しの限度額を低く設定したり、生活費用の普通預金口座の残高を少なくしておくこと、また、家にまとまった現金を置かないようにしたり、家族信託では補えない対策を常日頃からしておくことが大切です。

家族信託をリスク回避に活用しよう

■家族信託のメリット

家族信託のメリットとしては数多くありますが、大きなお金が必要となった場合、受託者が銀行から引き出し本人に渡すことができたり、認知症になっても資産が凍結することがなく、契約内容に従って財産管理をしてあげたりすることができます。

また、本人が施設に入所して実家が空き家になった場合などは、受託者が実家を売却して介護費用に充てることもでき、月々の費用も成年後見人制度と比べてかかりません。そして、受託者は資産を預かっているだけなので、贈与税も掛かることはありませんので安心です。家族信託を契約することで、高齢者が詐欺被害に合う心配を少しでも減らすことが可能になります。

■家族信託についていつ両親に話をした良いのか

ご両親が高齢になってきたとはいえ、家族信託について両親に話をしづらいという方も多いかと思います。しかし、いつかは話をしなければなりませんよね。その一番良いタイミングとしては、ご両親どちらか、とくにお父様が運転免許証を自主返納した時が良いです。運転免許の更新の際には、認知機能検査を受けます。少しでも低下している場合には、交通事故以外にも、詐欺被害や資産凍結リスクもありますので、このタイミングが一番おすすめというわけです。

話の伝え方としては、万一両親に何かあったとしても出来る限りお世話をしたいと思っていることと、子どもたちもいるので両親の資産が凍結して介護に回せるお金がなくなってしまうのが心配であることなどを話すと良いでしょう。最初はまだまだ認知は下がっていないと反対するご両親がいることも事実ではありますが、ゆっくりとその制度を話し、ご両親を守ってくれるということを理解してもらうことが大切です。

■相続トラブルの回避にも繋がる

相続時のトラブルも多く発生しているのは周知の上だと思いますが、家族信託は相続トラブルの回避にも繋がります。生前、親の面倒をほとんどみなかった子どもが、亡くなった時に遺産だけもらいに来るというのはよくあるトラブルです。家族信託はご両親が生きている間の財産管理だけではなく、他界した後の財産管理を2段階で定めておくことのできる、大変画期的な制度です。ご両親がお元気なときに、家族信託を結び、トラブルにならないようにしておくことが大切です。

 

このように、家族信託は詐欺や訪問販売からの回避だけではなく、相続トラブルの回避にも役立つ、大変性能の良い制度です。その他、認知症対策として資産の凍結を防ぐ効果もありますが、資産を不用意に流出することから守れる大切な信託となります。少子高齢化が進む日本で、今後も高齢者への詐欺被害が増加傾向になることが予想されます。ぜひ、ご両親や高齢者を守るために、家族信託を検討してみると良いでしょう。

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