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家族信託と成年後見制度のどちらを利用するべき?違いやメリットを解説

公開日:2022/09/15  最終更新日:2022/10/25


自由度が高く柔軟に取り決めができる家族信託ですが、本人の判断能力が正常であるうちに契約する必要があります。成年後見制度は、後見人などが認知症などで判断能力が充分ではない本人に代わって財産の管理をサポートすることです。さまざまな角度からその違いとメリットを見ていきましょう。

そもそも成年後見制度とは

法律を勉強すると頻繁に出現する成年後見制度とはどのようなものなのでしょうか。認知症などで判断力が充分ではない本人に代わって後見人などがサポートする制度ですが、サポート内容に制約があります。

どういう制度なのか

成年後見制度とは、認知症や知的障害、精神障害などが原因で判断力が充分ではない人を保護する制度です。後見とは、判断能力が欠けているが通常の状態の人を指します。保佐とは、判断能力が著しく欠けている人を指します。補助とは、判断能力が欠けている人を指すのです。こちらの用語の定義に基づいて、後見人、保佐人、補助人が、本人に代わって必要なサポートをします。

利用するためには

後見を開始するとき、保佐を開始するとき、補助を開始するときに、それぞれ家庭裁判所に申し立てます。家庭裁判所は、本人にとってもっとも適当だと思った人を後見人などに選任するのです。後見人などは家族だけが選任されるわけではなく、第三者である弁護士や司法書士の場合もあります。なお、弁護士や司法書士などの第三者が後見人となった場合は、月額数万円程度の報酬が発生します。

後見人などが行うサポート

本人に代わってさまざまなサポートを行うのです。年金などの定期的な収入の管理、自宅の家賃や水道光熱費などの支払い、介護サービス契約の締結などです。本人の財産の管理のサポートはできますが、自宅の不動産の売却を行う場合などは、裁判所の許可が必要です。資産運用や相続税対策のサポートもできません。

これは、こちらの制度の目的が本人の財産の保全だからです。資産運用のための財産の増額や、本人の不利益になるような財産の減額ができないようになっています。後見人などは、本人の代わりに財産の管理のサポートを行うだけではなく、定期的に裁判所に出向いて状況を報告する義務があるので、忙しい人に後見人などは向いていないことになります。

家族信託と成年後見制度の違い

さまざまな角度から、その違いを見てみましょう。

タイミングの違い

本人が認知症や知的障害、精神障害などで判断能力が充分ではないときに、家庭裁判所に申し立てを行うのが成年後見制度です。家族信託は、本人の判断能力が正常であるうちに家族や親族間で契約を締結します。

選任する人の違い

家庭裁判所が、本人に代わって財産の管理をサポートする後見人、保佐人、補助人を選任します。選任された後見人などは、家族だけではなく第三者の弁護士や司法書士のケースもあるのです。なお、第三者が後見人などに選任された場合は、月額数万円の報酬が発生します。

家族信託は、判断能力がある本人が受託者を選任します。家族や親族の場合がほとんどですが、第三者に受託者となることも可能です。この場合、報酬の発生は義務ではなく、当事者間で報酬の有無を決められます。報酬の発生がない場合は、契約書に記載する必要もありません。

財産管理の違い

本人の財産の保全を目的としている成年後見制度では、後見人などが本人に代わって財産の管理を行いますが、その業務内容は限られています。不動産などの資産を売却するときは裁判所の許可が必要であったり、資産運用や相続税対策はできなかったりします。信託目的に応じて受託者が財産を管理できる家族信託とは異なるのです。

監督者の違い

裁判所や監督人が後見人などを監督するのが成年後見制度です。後見人などは、定期的に裁判所に状況を報告する義務があります。家族信託では、信託監督人や受益者代理人を指定していない場合は監督する必要はありません。

家族信託と成年後見制度のどちらを利用する?

自由度が高く柔軟に取り決めができる家族信託を含めた利用方法を、専門家に相談してみるのもよいでしょう。ここでは、よくある例を紹介します。

本人の判断能力が充分ではないとき

家族信託の契約を締結するときは、本人の判断能力が正常であるうちに行わなくてはいけないので、認知症などで本人の判断能力が充分ではないときは成年後見制度を利用します。

軽度の認知症を発症しているとき

相続税対策をしたいけれど、本人が軽度の認知症を発症している場合は、家族信託を利用するのです。子どもを受託者に選任することにより、不動産の建設や売却を本人に代わって実施できます。成年後見制度では、相続税対策ができないので注意が必要です。

まとめ

どちらを利用するべきか分からないときは、専門家の意見を参考にしてみる方法もあります。やはり、法律の知識や実務経験は専門家には敵いません。これまでの事例と相談者の状況や要望をもとに最適な方法を提案してくれるでしょう。弁護士や司法書士に依頼してみましょう。注意点として、家族信託を検討している場合は本人の判断能力が正常な間でしか契約を締結できないので、急ぎの場合は早めに行動するようにしてください。

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