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成年後見人になるための手続きをしたい!必要書類と手続きの流れとは

公開日:2023/03/15  最終更新日:2023/02/03


精神疾患が発症すると、自分の判断では財産を管理できなくなります。本人に代わって、財産管理をしてくれるのが成年後見人です。しかし、成年後見人になるためには手続きが必要で、その手続きは難しいといわれています。では、どのようにすればよいのでしょうか。今回は、成年後見人になるための手続きについてご紹介します。

成年後見制度の目的と仕組みについて

成年後見制度には、どんな目的と仕組みなのでしょうか?こちらで詳しくご紹介します。

成年後見制度の目的とは?

成年後見制度の目的は、精神疾患が原因で判断能力が低下した人の財産管理をすることが挙げられます。精神疾患とは、認知症や知的障害などのことです。精神疾患を発症すると、正常な判断を下すことが難しくなります。また、本人の財産管理以外にも、法律上の契約・サービスなどの締結・取り消しなどを代行して、本人の権利を守るという目的も含まれているのです。

成年後見制度の仕組みとは?

成年後見制度の仕組みは、家庭裁判所・本人・成年後見人の3者が基本になって構成されています。また、成年後見制度は申し立ての方法で、任意後見・法定後見の2つの種類に分かれているのが特徴です。

後見開始までの大まかな流れを確認しよう

後見開始までは、どのような流れになるのでしょうか。こちらでは法定後見開始までのおおまかな流れについて分かりやすくご紹介します。

1.医師の診断書の取得

医師の診断書は、かかりつけの医師、または精神科医、または近くの内科医で取得します。

2.申し立ての書類の準備

申し立ての書類は、申立書類一式・戸籍謄本・住民票・後見登記をしていないことを証明する証明書・医師の診断書・裁判所が要請する書類です。このすべてを準備しましょう。

3.家庭裁判所への申し立て

書類の準備が完了したら、家庭裁判所に申し立てを行います。

4.家庭裁判所での面接

家庭裁判所での面接では本人・申し立て人・後見人候補者などが家庭裁判所の担当者と面接を行います。面接は前もって予約を入れておかなくてはなりません。

5.家庭裁判所での審理

申し立てに関する書類一式・面接内容をもとに、家庭裁判所での審理が開始されます。

6.後見に関しての審判

家庭裁判所での審理が終わると、審判が下されます。このとき、正式な後見内容と後見人が決まるのです。

7.後見に関する登記

後見が正式に決まると、家庭裁判所から法務局に対して後見登記の依頼が行われ、後見内容が登記されます。

8.後見開始

正式な後見内容と後見人が決まったことで、後見人によるさまざまな後見活動が開始されます。

成年後見人の手続きにかかる費用と時間

成年後見人の手続きには、どれくらいの費用と時間がかかるのでしょうか?こちらで詳しくご紹介します。

成年後見人の手続きに必ずかかる費用とは?

成年後見人の手続きには、次の費用が必ずかかります。まず、申立手数料が800円。郵便切手の費用が約5,000円。医師の診断書の作成費用が約5,000円。後見登記手数料が2,600円。本人の戸籍謄本の発行費用が約300円。本人の住民票の発行費用が約300円。本人の戸籍附票の発行費用が約300円。本人の成年後見等の登記がされてないことを証明する証明書の発行費用が約300円です。ただし、住まいの地域によって若干費用が異なることがあります。

成年後見人の手続きにかかる時間とは?

成年後見人の手続きには、一般的に申し立てをしてから、早くて1~1か月半くらいかかります。また、遅くなると3~6か月かかることも充分あるでしょう。

成年後見制度を利用する際の注意点とは

成年後見制度を利用する際には、どんな点に注意すればよいのでしょうか?こちらで詳しくご紹介します。

希望した候補者が後見人になるとは限らない

ひとつ目の注意点は、希望した候補者が後見人になるとは限らないことです。本人・家族が後見人候補者を提案することはできます。ただし、実際に正式な後見人を決めるのは家庭裁判所です。本人・家族が提案した後見人候補者が、本人の後見人としての能力を満たしていないこともあるでしょう。その場合は、家庭裁判所がまったく別の後見人を選任することがあります。

後見監督人が付く場合もある

ふたつ目の注意点は、後見監督人が付く場合もあることです。後見監督人とは、後見人を監督する立場の人のこと。本人・家族が提案した後見人候補者が家庭裁判所から選任されても、後見監督人が後見人に付くことがあります。本人の財産が大きい場合、後見人が財産管理を適切にできないときなどです。簡単にいうと、能力不足だから。この場合家庭裁判所は、後見人を監督するために後見監督人を付けます。一般的に後見監督人には、弁護士・司法書士・税理士などの職業後見人が選任されます。

まとめ

今回は、成年後見人になるための手続きについてご紹介しました。成年後見人になるための手続きは、やることが多く難易度が高い案件です。そのため、一般的には専門職が代行してくれます。とくに家庭裁判所が入るので、書類の提出が多く大変です。もし、成年後見人の手続きにご不明な点がある場合には、一度専門職にお尋ねすることをおすすめします。

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