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家族信託にかかる費用の相場とは?安く抑えるためのアドバイス

公開日:2023/11/15  

家族信託

家族信託には複雑な手続きが必要で、かかる費用も多種多様です。家族信託を検討するためにも、どの程度の費用がかかるのか、何が必要なのかを知りたい人も少なくないでしょう。ここでは、家族信託にかかる費用の内訳や相場を紹介します。家族信託の費用を安く抑えるポイントも解説するため、契約を検討する際の参考にしてください。

家族信託にかかる費用の種類と相場

家族信託を契約する際には、初期費用としてある程度の出費をともないます。初期費用の相場は信託財産に不動産が含まれるかどうかで変わります。

不動産が含まれない場合は30~70万円程度、不動産が含まれる場合は全体で50~100万円程度が相場です。契約時の初期費用の主な内訳は次のとおりです。

コンサルティングなど専門家への報酬

家族信託に必要な手続きは、弁護士や司法書士といった専門家に代行してもらうことがほとんどです。専門家に支払う報酬は何を代行してもらうかによっても変わりますが、一般的に信託財産に応じて変動します。

信託財産が1億円未満であれば少なくとも30万円もしくは信託財産の約1%必要です。信託財産の評価額が上がるほど評価額に占める報酬額の割合は下がり、1~3億円であれば約0.5%、10億円以上であれば約0.1%と言われています。

信託財産が4,000万円だとすると、専門家への報酬は4,000万円の1%で40万円程度です。専門家に代行を依頼するものとしては、コンサルティング・公正証書作成・不動産の登記などが挙げられます。

公正証書作成費用

公正証書を作成する場合、専門家に支払う報酬以外にも、公証役場に手数料を支払う必要があります。役場への手数料も信託財産の評価額に応じて決まり、100万円以下であれば5,000円、100万~200万円であれば7,000円となっています。

信託財産が4,000万円であれば、手数料は2万9,000円が必要です。家族信託は当事者が家族同士のため、公正証書の作成は必須ではありません。ただし、金融機関で信託口座を開設する際に必要となることも多いため、公正証書は作成しておくのが一般的です。

不動産登記にかかる費用

不動産登記は、信託財産に不動産が含まれる場合にのみ行います。登記を行う際には、法務局に納付する登録免許税が必要です。

登録免許税は土地と建物で税率が異なり、土地には0.3%、建物には0.4%かかります。3,000万円の土地であれば約9万円、建物が1,000万円であれば約4万円、合計で約13万円ということになります。司法書士などに手続きを依頼する場合は、別途専門家への報酬が必要です。

家族信託の契約締結後にかかる費用

家族信託の契約を締結したあとにも費用がかかるケースがあります。

税金

家族信託契約の締結後にかかる税金としては、相続税や贈与税が挙げられるでしょう。委託者が受益者となる契約で委託者が死亡すると受益者が変わり、相続か贈与が発生し、受け継いだ信託財産に税が課せられます。

また、信託財産に不動産が含まれている場合、固定資産税は受益者が支払うことになります。

受益者代理人・信託監督人への報酬

受益者代理人・信託監督人などを設定した場合、契約後は代理人・監督人への報酬が必要です。代理人・監督人への報酬は月額1万円程度を目安と考えておくとよいでしょう。

契約内容変更などの手数料

契約締結後に契約内容を変更する場合は、別途手数料が必要です。契約変更後に再度公正証書を作成する場合は、役場への手数料も支払う必要があります。

家族信託の費用を安く抑えるポイント

家族信託には多額の費用がかかりますが、やり方によっては安く抑えることも可能です。ここでは、家族信託の費用を安く抑えるためのポイントを解説します。

手続きを自分で行う

家族信託にかかる費用の大半は、専門家への報酬です。専門家に代行を依頼せず、自分で手続きを行うことで、大幅に費用をカットできるでしょう。ただし、家族信託にかかわる手続きを抜け漏れなく行うのは、知識のない人には難しいため、手続きは代行してもらうのが無難です。

報酬を比較・検討して専門家を選ぶ

専門家への報酬も各専門家によって変わります。報酬額の安い専門家に依頼することで、家族信託の費用の主要な部分を安く抑えることが可能です。

安かろう悪かろうで十分なサービスが受けられなければ意味がないため、複数の専門家の報酬を比較し、じっくり検討しましょう。

信託財産の金額を抑える

信託財産の評価額が高くなるほど、家族信託の費用も高くなる傾向にあります。手元の財産をすべて信託財産とすると費用もそれだけ高額になるため、たとえば財産のうち一部だけを信託財産にするなどの対策を講じることで、費用も軽減できるでしょう。

まとめ

家族信託の費用は決して少なくありません。とくに専門家に手続きの代行を依頼した場合、専門家への報酬が費用の大半を占めます。費用を安く抑えて家族信託を活用したい場合は、手続きをすべて自分で行うと効果的ですが、一般人が家族信託の手続きを行うのは困難です。専門家への報酬額を抑えたいのであれば、複数の専門家の報酬を比較・検討し、比較的報酬額の安い専門家に代行を依頼するとよいでしょう。また、家族信託の費用は信託財産の額に応じて変動するものが多いため、信託財産をコントロールして費用を抑えるのもひとつの方法です。自分や家族の現状に合った方法で、家族信託の活用を検討してみましょう。

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