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家族信託はどんなときに利用する?実際にあった活用事例をご紹介!

公開日:2022/03/15  最終更新日:2022/03/16


「家族信託」という言葉をご存じでしょうか。何かあってからでは、適切に自分の持つ資産を管理することはできません。もしもの時に備え知識を蓄えておけば、今から資産管理を考え準備できるかもしれません。この記事では、家族信託を利用できるケースについて詳しく解説します。参考にしてみてくださいね。

認知症の発症に備えたいとき

認知症になると、明確な判断能力を失ってしまいます。認知症になってしまうと、所有している不動産を売れなくなり、預金を下ろすことさえ困難になることでしょう。そのため、まだ元気なうちに子どもを受託者として家族信託契約を結んでおくと安心できます。

家族信託契約を結んでいれば、親の判断力が低下してきた場合でも、子どもが親の生活費などを財産から支払ったり、信託財産である不動産を売却したりすることが可能です。任意後見制度を利用することもできますが、この制度ではリスクのある資産運用や不動産の処分などはできません。この点で、信託目的に従い幅広いニーズに応える家族信託はおすすめです。

施設入居に伴い空き家になる物件を売却したいとき

突然、高齢の母親又は父親が施設に入居することになるかもしれません。母親または父親が認知症や高齢であるなら、家族信託を利用して今まで住んでいた住宅を売却することも可能です。親は、前もって信頼できる子どもを受託者として選んでいるので、いざという時の決定権は受託者として選ばれた子どもにあります。

親が元気になって家に帰る見込みがあるのなら、物件を管理し続けることもできますが、認知症や高齢である場合、物件を管理し続けるのは難しくなるでしょう。親の様子をよく見て、自由なタイミングで売却できます。物件を早めに売却することで、親の看護に専念することが可能です。

収益物件の管理が難しくなってきたとき

収益物件を管理するには、時間も体力も必要です。年齢のため、物件を管理することに限界を感じることがあるかもしれません。そのような時に、家族信託を利用して子どもに賃借人とのやり取り等の管理を任せられます。

まだ体力や気力のあるうちに、子どもを受託者としておくことはおすすめです。家族信託を使えば、管理・処分権限を手放せると同時に、発生する収益は自分のものになります。家族信託は生前贈与とは異なっているため、多額の贈与税もかかりません。

また、物件の売却やリフォームの権限すべて、子どもに引き継ぐことになります。歳をとってくると、持ち物の管理が煩わしく思ったり、必要以上のエネルギーを使えなくなったりします。物件の収益や管理のことを考えずに、のんびりとした老後を過ごせるでしょう。

兄弟姉妹で不動産を共有しているとき

また、兄弟姉妹で不動産を共有している場合でも家族信託を使うことが可能です。たとえば、父から相続したアパートを、兄弟3人で3分の1ずつの持分で共有しているとしましょう。しかしある時から、物件の管理や賃借人対応している長女の物忘れがひどくなってきました。

他の兄弟たちは、「アパートの改修・建替え・売却に影響が出るのではないだろうか」と心配になります。家族信託契約の場合、共有の持ち物に信託を設定することが可能です。一人ひとりが子どもと信託契約を結んでいる際、親が病気や認知症などで判断力が低下したときには、その子どもに決定権が移行されます。もしもの時に備えて、判断ミスを防いでいきましょう。

血のつながった孫への資産承継したいとき

家族信託を利用すると、血のつながった孫へ資産を引き継ぐことが可能です。たとえば、長男・次男いる人がいるとします。長男に子どもはいますが次男には子どもがいません。

そのため、一旦は子どもたちに資産を相続させ、その子どもたちが亡くなった後に長男の孫に資産を引き継げるよう方法がないかと考えます。何もしなければ、大半の財産が次男のお嫁さんの一家に引き継がれてしまうことに。しかし家族信託契約を使用するなら、希望通り孫に受け継がせることが可能です。

では、この場合どうすればよいのでしょうか。

まず、自分を受託者兼受益者・長男を「受託者」として資産を信託する家族信託契約します。その後、自分がなくなったら「受益者」を長男と次男2分の1ずつ移転するように設定。また受益権のある次男の嫁が亡くなった後、信託を終了し在余財産を孫に設定します。最終的に受益者は子どもに移転するようなり、孫にまで自分の資産を引き継ぐことが可能になるのです。

 

家族信託は、認知症の発症や空き家物件を売却したい場合、収益物件の管理が難しくなってきたときなど、さまざまなケースで活用できます。とくに、認知症になると明確な判断ができず大きな決定ができなくなります。しかし、「物件や資産をどう用いるか」「誰に引き継いでいくのか」など重要なことを急に決めることはできません。何かあってからでは手遅れです。委託者が元気なうちに、しっかり家族間で話し合って決定することをおすすめします。

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