家族信託の相談はどこにするべき？相談窓口を選ぶ際のポイントとは？

老後に備えて第三者に財産の管理を任せることを、家族信託といいます。しかし、家族信託をする際の相談先がわからず困っている人も多いでしょう。今回は、家族信託の相談先として考えられる場所や、相談窓口を選ぶ際のポイントを解説します。本記事を参考に、信頼できる相談先を見つけてください。

家族信託の相談ができる場所とは

家族信託は、老後や介護に備えて財産の管理や処分を第三者に委任する制度です。

とくに委託者が認知症になった場合でも受託者が財産管理を続けられるので、安心して老後を迎えられます。しかし、家族信託には法務や税務に関する専門知識が必要であり、適切な専門家への依頼が重要です。相談先としては、司法書士、弁護士、行政書士、税理士が挙げられます。

なかでも、契約書の作成や登記まで対応できる司法書士がおすすめです。司法書士は家族信託に特化した専門家が多く、アフターフォローも含めてトータルで対応可能です。

弁護士は法的トラブル対応に強いですが、家族の意見を調整しながらの契約作成が難しい場合もあり、登記手続きの専門知識にも限りがあります。税理士は家族信託の法務には対応しづらい一方、金融機関や不動産会社は自社利益に偏った提案をする可能性があります。

上記の理由により、信頼できる司法書士を自分で選び、適切なアドバイスのもと家族信託を始めると安心です。

相談窓口を選ぶ際のポイント

適切な相談窓口を選ぶには、いくつかのポイントを押さえておくことが大切です。

次に、相談窓口を選ぶ際のポイントを見ていきます。

取引実績の豊富さ

まず、家族信託の取扱実績が豊富な専門家の選択が重要です。

実務経験が豊富である専門家は、多くのケースに対応してきた経験があり、法律や税制の改正にも柔軟に対応できます。

専門性の高さ

家族信託における専門性の確認が大切です。

家族信託に特化した士業事務所の選択により、さらに専門的なサービスを受けることができます。

情報発信の有無

また、家族信託に関する情報発信も選定の基準となります。

セミナーやブログ、YouTubeチャンネルで積極的に情報を発信している専門家は、特定の分野に深い知識と情熱を持っている可能性が高いです。

ネットワークの広さ

家族信託の設計には広範囲にわたる知識が必要なため、専門外のネットワークを持つ専門家の選定も重要です。

税理士や弁護士、不動産会社などと連携し、総合的なサポートが提供できる専門家が理想的です。

サポート体制の充実度

家族信託契約後も、サポート体制がしっかりしているかの確認も大切です。

信託契約が開始してから事情が変わるケースもあるため、契約後も適切なアドバイスや手続きが受けられる専門家を選びましょう。

専門家に依頼した場合の手続きの流れ

手続きの流れを把握するのも、家族信託をするうえで欠かせないプロセスです。

以下では、専門家に家族信託の依頼をした場合の手続きの流れを紹介します。

専門家に相談

最初に司法書士などの専門家に相談します。

初回の相談が無料で提供される場合が多いですが、実際に依頼する際には、報酬やサポート内容について確認する必要があります。専門家との相談では、自分の家族状況や財産に基づいて、どのような信託プランが適切かを話し合います。

家族信託の設計や提案を受ける

専門家は、委託者の家族構成や財産状況を踏まえて、家族信託の設計や提案を行います。

この段階で、手続きの流れやスケジュール、費用についても提示されます。専門家は、複数のプランを提案し、委託者や受益者のニーズに応じた最適なプランを選択するサポートをします。

信託契約書案の作成

依頼者が選んだプランに基づいて信託契約書案の作成をします。

金融機関、公証役場、不動産会社など関係者との調整も行うのが一般的です。信託契約書案は、法的な要件を満たし、委託者と受益者の希望に沿った内容となるように設計されます。

公証役場で信託契約書の作成

信託契約書案が完成した後は、専門家が公証役場と打ち合わせをします。

公証役場で公正証書を作成するために専門家と共に公証役場に行く必要がありますが、場合によっては委託者の自宅に公証人と専門家の出張も可能です。

家族信託専用の口座開設

受託者は、信託財産と個人の財産を分けて管理する義務があります。

信託専用口座を開設できる銀行は限られているため、信任法に基づく口座開設が重要です。

不動産が信託財産に含まれる場合は信託登記

信託財産に不動産が含まれている場合、委託者から受託者への名義変更登記が必要です。

通常、法務局に対して信託登記の申請を行いますが、委任状への署名・押印があれば、司法書士による登記手続きの代行も可能です。

まとめ

家族信託は、老後や介護に備えて財産を第三者に管理委任する制度ですが、適切な相談先選びが重要です。司法書士、弁護士、税理士などの専門家が考えられますが、、よりスムーズに手続きを進めるには家族信託に特化した司法書士の選択をおすすめします。選択の際には、取引実績の豊富さ、専門性の高さ、情報発信の有無、ネットワークの広さ、サポート体制の充実度、Googleレビューの評価をチェックします。手続きの流れは、相談から契約書作成、信託専用口座開設、登記、運用開始までが含まれます。信頼できる専門家と共に、家族信託をスムーズに進めましょう。本記事の内容が、家族信託に関する悩みを抱えている人の助けになれば幸いです。