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認知症対策以外にも役に立つ?家族信託の具体的な活用事例をご紹介!

公開日:2024/01/15  

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家族信託は、家族が認知症になった場合に、財産の相続や預金口座の凍結といったトラブルを未然に防ぐための仕組みです。しかし、その価値は認知症対策にとどまらず、さまざまな場面で役立つ可能性があります。この記事では、家族信託を利用することで得られる具体的な恩恵をご紹介。将来の不測の事態に備えて、家族信託を上手に活用しましょう。

財産の承継先を指定

家族信託のメリットのひとつは、財産の継承に関するトラブルを未然に防ぐことです。

自身が築き上げた財産や家族の伝統的な不動産など、どのように財産を引き継ぐかは、多くの人にとって重要な問題。家族信託を活用することで、財産の相続先をあらかじめ決定することが可能です。

相続に関しては、遺言書を作成する方法もありますが、その方法では親の遺言に基づいて決定される範囲は限られており、子どもの世代までと制約があります。しかし、家族信託を用いると、財産の受け継ぐ人々や時期について、契約の中で詳細に取り決めることが可能です。

子どもへの相続だけでなく、孫世代への財産継承についてもあらかじめ計画することができます。家族信託を利用することで、相続に関する対立を未然に防ぎ、すべての関係者が安心できる環境を整えることができるのです。

場合によっては、血縁関係のない人に対しても財産を継承させることができるかもしれません。自身の築いた財産が家族全体の資産として守られることを重視するならば、家族信託はその考えを尊重してくれる有用な仕組みといえるでしょう。

中小企業の事業継承

日本国内の企業構造を見ると、中小企業が全体の99%以上を占めています。

事業の承継は経営者にとってだけでなく、国全体にとっても重要な課題です。通常、現経営者が企業の大半の株式を所有しています。事業を継承するには、現経営者が保有する株式を後継者に移譲する必要があるのです。

株式の贈与、売却、遺言による譲渡の3つが主な方法になります。ただし、これらの方法には検討すべき要点があるのです。贈与の場合、贈与税がかかることや、売却の際には後継者が大きな資金を必要とすること。

遺言による遺贈の場合、後継者が実際の経営状況を把握できないため支援が難しい点などが挙げられます。さらに、遺贈の際には株式の評価によって高額な相続税が発生する可能性もあるでしょう。こうした課題を解決する手段として、家族信託が存在します。

家族信託を利用すると、贈与税の対策として、株式の議決権を保持しつつ、配当権を後継者に譲ることが可能です。実質的に株式の所有権を移転せずに済み、贈与税を軽減できるという利点があります。

さらに、株式の議決権を譲渡しても、経営指導権を保持するため、後継者の成長を見守ったあとに、経営権を譲渡することができるのです。企業ごとの事情は異なるため、ケースごとに適切な条件を明確にし、信託契約を締結することが重要。

こうした対策を講じることで、将来の事業承継に安心感をもつことができ、家族信託は非常に優れた仕組みといえるでしょう。

障がいをもった子どもの未来を保障

障がいをもつ子どもを養育する家庭にとって、親が亡くなったあとの子どもの将来に対する不安は深刻な問題です。

財産の適切な管理や判断力の不足、詐欺などのリスクが、将来の展望を不透明にする可能性があります。こうした課題への対応策として、家族信託は非常に有効な手段となるのです。

まず、親が亡くなったあとは、信頼できる別の家族を信託受託者として指名し、親の財産を信託に委託します。同時に、障がいをもつ子どもを信託受益者として設定。この仕組みにより、判断力のある管理者が財産を適切に管理し、子どもの未来を確保する役割を果たします。

障がいをもつ子どもが受益者となり、信託受託者が財産を管理することで、安心感をもって将来に備えることができるのです。将来的には就職や転居、グループホームの利用料など、資金の必要な場面が生じるかもしれません。

その際にも、信託受託者が必要な給付を行う仕組みを構築できます。家族信託は、自己の財産管理が難しい障がいをもつ子どもの将来をサポートし、安定した未来を築くための有力な手段といえるでしょう。

まとめ

今回は、認知症対策以外の観点で、家族信託の具体的な活用事例を紹介しました。家族の歴史に根付いた資産や個人の築いた財産を円滑に相続させる手段として、家族信託は非常に有効です。事前に財産の受け継ぎ先を指定したり、中小企業の事業承継における問題を解決したり、障がいをもつ子どもの未来に配慮した財産の移行ができます。ただし、相続方法を誤ることで、金銭的な損失や人間関係の悪化、相続人の不利益が生じるリスクがあるので注意しましょう。将来に向けて自らの状況を考え、家族信託を適切に活用することで、円滑な財産承継を実現し、トラブルのない未来を築くことをおすすめします。

 

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