家族信託の受託者を複数人にすることは可能?注意点やリスクは?
家族信託について知っていますか?年を重ねると、お金の管理が心配になってくる方もいるのではないでしょうか。家族信託は、資産を家族に託すことで管理や処分を任せることができます。では、家族信託を頼む家族を複数にすることはできるのでしょうか?今回は、家族信託の受託者を複数に頼む場合のメリットやデメリットについてご紹介します。
家族信託の受託者を増やすことはできる
家族信託の受託者は複数に頼むことができます。詳しく解説します。
受託者とは?
受託者とは、資産を管理する立場の人のことを指します。委託者は受託者に財産を託します。たとえば、高齢になった父が委託者となり、その子どもを受託者にして財産を管理や処分してもらうという仕組みです。信託行為で利益が発生した場合、その利益は受益者に受け取る権利が発生します。受益者は委託者が決めることができ、受託者も受益者となることが可能です。父が委託者、長男が受託者、家族や親戚が受益者というのがよくあるパターンです。
複数にできるのか?
受託者は、不動産や預貯金などを委託者のかわりに管理しなければなりません。お金についての管理なので受託者はひとりに限定されているのでは?と思うかもしれませんが、実際は複数の人が受託者となって資産の管理が可能です。
たとえば、父の信託を姉と弟が管理する場合、普段生活する際の支出の管理はそばで介護する姉が管理、弟は遠方に住んでいるので不動産や非常用の資金を預かっておくなどして、複数の子どもが親を支えるといケースもあります。近年はインターネットバンキングが広く普及したので、口座の情報を複数人で共有し資産状況を共有することもしやすくなりました。
受託者を複数人にすることで起こるリスク
受託者を複数人にするリスクはあるのでしょうか?詳しく解説します。
信託口口座を作成できない
信託口口座とは信託用の口座で、口座の名義が委託者と受託者の名前のついた口座になっています。受託者が複数人いると、この口座は作成できないため、受託者の個人口座を信託用につくり、そこでお金の管理をする必要があります。
意見が分かれると困る場合がある
信託の管理や運用を行う場合、受託者の過半数が賛成していなければ処理することができません。受託者が2名の場合、互いの意見が対立してしまうと信託の運用が円滑に進まなくなってしまいます。よくありがちなのが、不動産を売却する際にもめて売却が進まないというケースです。
家族関係によってもめることが予想される場合は、そもそも受託者を複数にする必要があるか話し合う、意見が分かれた場合どうするかあらかじめ話し合っておくなどしておいた方がよいでしょう。老後の資産の管理を子どもに任せたはずなのに、受託者が2名になってしまったことで余計な家族間トラブルが生じてしまっては意味がありません。
3名以上に増やせばよいのでは?と思うかもしれませんが、受託者が多すぎると意見がまとまらない、集まりにくい、対立してしまったら家族関係がこじれるといったデメリットが多いので、あまりおすすめはできません。
法的取り扱いも変化するので注意
受託者を複数人にすることで、法的なものも、ひとりのときとは変わってきます。詳しく解説します。
受託者が複数いる場合
信託財産は保存行為の場合、それぞれ受託者が単独で決めることができます。しかし、財産を処分する場合は、受託者全員の協力や合意が必要になります。受託者が亡くなった場合は、特別に取り決めをしていないのであれば、生きている受託者が権限を持つことになります。受託者が2人いたので新しい人を探さなければいけないという必要はありません。
受託者が複数のメリットは?
受託者が複数いると面倒そう…と感じた方もいるかもしれませんが、メリットもあります。受託者はいろいろな義務を課せられるので、財産をしっかり管理しなければならないというプレッシャーを抱えてしまうこともあります。
しかし複数人いれば負担が分散するため、精神的な苦痛は少なくなるでしょう。また、複数人いることで、財産を管理しているかお互いを監督することができます。
また、何か困ったこと、ひとりでは決めづらいことがあった場合は、複数人で話し合うことができるといったメリットがあります。委託者が非常に高齢だった場合、受託者も高齢者ばかりというケースもあるでしょう。財産の管理は負担が大きいと感じたら、家族や親戚と相談し、受託者を複数人にするのもよいでしょう。
まとめ
信託契約をすることで不動産や財産を家族に管理してもらいたいので受託者になってほしいと頼まれたらどうしますか?お金の問題は家族間といえどもトラブルになる可能性もあります。家族の関係性を考えつつ、誰が受託者になるのか、複数人にしてもらうべきかなどしっかり考えた上で家族信託を行いましょう。複数人いると複雑化してしまうかもしれない…となった場合は財産を分けることで複数の家族信託を結ぶことも可能になっています。
兄弟で不動産を分け合うことで、それぞれが不動産を管理する形になるので、負担は減りつつトラブルを避けるひとつの方法にもなります。家族信託は受託者がひとり、複数、信託を複数に分けるといったさまざまな方法を取ることができます。家族に一番よい方法はどれなのか、家族で話し合って考えてみてください。
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