独身の方にこそ家族信託がおすすめ?家族信託がおすすめの理由とは
近年、日本の生涯未婚率は増加しており、周りにも独身の人が珍しくないと感じる方もいるのではないでしょうか。家族信託と聞くと、結婚していて家族がいる人に関係あるもので独身には関係ないと思うかもしれませんが、独身の人だからこそ家族信託を活用した方がよい場合があります。今回は、独身の人の家族信託の活用についてご紹介します。
独身の方が直面しやすい老後の問題点とは
独身の場合、老後はどのような生活になるのでしょうか?考えられる問題点を挙げます。
判断能力がなくなってしまう
独身の人の場合、老後の貯金について心配な方も多いでしょう。しかし、独身で頼れる人がいないからこそ、しっかり計画的に貯金している人もいます。無事に老後の貯金を貯めて、独身のままでも問題なく暮らしていける…と思いきや、貯金などの財産があっても、それをきちんと管理できる状態にずっといられるのかという問題が浮上します。
医療が発達したため、長生きする人が増え、認知症になる人が多くなっています。独身でひとり暮らしをしている中で認知症になってしまい、症状が進んでしまったら、意思能力を失ってしまうかもしれません。意思能力がないと判断されてしまった場合は、自分では貯金が引き出せなくなったり資産の運用、売却ができなくなったりするケースがあります。老後のためにしっかり貯金を確保していたのに、資産の運用が凍結されてしまったらどうすればよいのでしょうか?
凍結されないためにはどうすればよいのでしょうか?独身で家族がいないからこそ、自分の判断能力がなくなったときのことを考えておくべきです。認知症にならなくても、突然大きな病気になってしまう可能性もあります。
詐欺に合う可能性がある
判断能力が低下してしまうと、正しい意思決定ができなくなってくる場面も出てくるでしょう。たとえば、家のリフォームを行うか、建て替えするか、取り壊してしまうかなどは大きな判断です。自分の意志ははっきりしていると思っていても、判断力の低下に気がつかないまま後悔するような判断をしてしまうかもしれません。判断力がなくなってきたお年寄りを狙った詐欺に合ってしまったら、せっかく貯めた貯金がなくなってしまうかもしれません。
とくに家にひとりしかいないことが分かったら、詐欺の相手として騙しやすいと狙われてしまう可能性があります。独身でひとり暮らしの人はお金の話には十分注意しましょう。兄弟や友人、近所の人など、何かあったら相談できる人がいると安心です。
死後手続きにもさまざまな問題が発生する可能性がある
独身の場合は、死後どうなるのかも考えなければなりません。どのような問題があるのか挙げます。
親戚を頼れる場合
亡くなった場合は、近い親戚が葬式を行ってくれる場合が多いでしょう。もし可能なら、どんな葬儀にしたいか、喪主は誰に頼むかなどをあらかじめ話し合っておくと親戚にかける負担が少なくてすみます。葬式関係の手続きがおわったあとは、相続関係の問題もあります。兄弟や姉妹、その子供などに相続するのかも決めておくとよいでしょう。親戚間でのトラブルを避けるためにも、自分が元気なうちにある程度、自分の死後のことを誰に任せるのか決めておくと安心です。
身寄りがない場合
独身で身寄りがない場合はどうなるのでしょうか?もし孤独死してしまった場合は、役所が親戚を探して遺体の引き取り手を探します。もし身元が分からない、親戚がいないといった場合は、自治体によって埋葬されます。独身で突然亡くなってしまった場合は、兄弟やその子供が相続人になります。兄弟と普段仲がよくなくても、兄弟やその子どもが法定相続人となるため、もし仲がよくなくて相続させたくないといった場合は、遺産相続について元気なうちに遺言書に書いておくなどしておきましょう。
老後の対策として家族信託は有効か
老後の面倒ごとを解決するのに家族信託は有効なのでしょうか?財産を管理する方法はいくつかありますが、たとえば、財産管理委任契約が利用できるのは委任者の意思能力が十分あるうちとなっています。任意後見制度は、意思能力が低下してきてから効力が出るものになります。
一方、家族信託は、委託者本人の健康状態に関係なく利用が可能です。法律上の決定や不動産の売却などは受託者が行うことができるなど、家族信託はほかの方法に比べると柔軟な対応ができる点がメリットといえます。また、家族信託という名称ですが、従兄弟、甥や姪などを受託者にすることも可能となっています。
まとめ
生涯未婚率が上昇している日本では、高齢の独身の方を見かけるのが珍しくなくなってきています。医療が発達し、長生きできるようになったのでその分病気になったり、認知症になったりして判断力を失ってしまう場合もあります。判断力がなくなったり、突然亡くなってしまったりしても、家族がいれば面倒を見てもらえますが、独身の場合はどうするのかある程度決めておく必要があるでしょう。
家族信託は、判断能力のあるうちから財産管理を受託者に一任することができるので元気なうちに準備することができます。兄弟姉妹でなくても、従兄弟や甥などを受託者にすることもできるので、柔軟な対応ができるのが家族信託のメリットです。元気なうちに老後や死後のことを考えてみることをおすすめします。
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